市場規模シェア調査とは、マーケット調査のことで、「ある商品・サービスの市場動向についてまとめる調査」です。
その種類や内容はどういったものがあるのかについて解説していきたいと思います。
基本フォーマットは1種類のみ〜市場規模、シェア、年度推移、背景情報〜
他の調査と異なり、市場規模シェア調査には基本1種類しかありません。
というのも、その項目やターゲットの切り口で、大きく異なるものの、基本的なフォーマットとしては共通となります。
基本的なフォーマット
主に下の項目で構成されています。
市場規模
調査の一番の目的であり、全ての数字の合計金額に当たります。
その為この数字が一番大事になってきます。
この数字はメーカー出荷などの実績値の場合もありますが、国や業界団体などの推測値なども多いです。
また、売上高の合計での金額ベースの市場規模が多いですが、個数・台数ベースなどの数量ベース市場規模も使われます。
要は、対象商品を売ろうとしたらどれくらい売れるの?という規模が分かればいいので、単位は様々です。
シェア
シェアとは占有率のことであり、ある市場における商品、メーカーごと、流通経路ごとの分類別の比率、パーセントを表します。
推移
年や年度、企業によっては決算期などにより、過去から現在そして未来へ、業績が推移するのをまとめた形の事を指します。
伸びている市場と落ち込んでいる市場その傾向はとても大切です。
将来の予測については、過去からの流れ及び現状から将来に懸念または期待される要因によってその成長を予測します。
背景情報
シェアなどの算出根拠や今後の成長率などの要因などを記載します。
市場規模シェア調査の項目例とポイント
市場調査の調査項目とその内容を見てもらう方が、どういった調査か分かりやすいと思います。
製品概要 | 製品の目的、機能、特性、仕組み |
市場概況 | 市場の形成時期、歴史、市場成立の要因、市場構造、参入企業数推移、新規参入状況、新製品状況、市場拡大、縮小状況等を簡略に表現する |
市場規模 推移 | 5年程度の数量、金額、伸長率表を表示し、推移グラフ、その解説、コメントを記入。 数量は業界で通用する慣習をベースとした単位を使う。 (kWh、台、個、基、t、kg・・・業界常識に従う) 数量、金額、伸長率の時系列表とグラフ、解説は必須 |
種類別 規模推移 | 実績の数量、金額、伸長率の時系列表、グラフ、解説は必須 |
用途(分野別) 規模推移 | 実績の数量、金額、伸長率の時系列表、グラフ、解説は必須 用途は雑な大分類ではなく、業界の常識に応じて表現する |
メーカー別 シェア | 実績の数量、金額、%表、円グラフ、解説は必須 。 少なくとも75%に達するまでメーカー名とシェアは明示する。 その他でまとめる比率は25%以内とする。 |
販売チャネル、 主要商社 | 商流を図示し、解説する。 |
価格動向 | 価格の動向、上昇、下降、今後の目途、可能性等を解説する。 代表的な価格事例を明示すればより理解しやすい 消費財は末端実勢価格、生産財ではメーカー出し、もしくは、代理店出し価格を明示するのがよい。 |
技術開発 状況 | 開発が行われる対象(素材、機能、性能)とその目的、理由、具体的内容、開発の方向性、得られるメリット、デメリット等を解説する |
現状の課題 | 技術上、販売上の課題、問題点を解説する。 (商品が浸透していない、代替商品がある、価格が高い、性能が低い、機能が劣る、流通チャネルが未開拓・・・・等々商品の需要に対する阻害要因を明記する) |
今後の方向性 | 今後、市場が拡大するのか、しないのか。 技術的、需要的にはどのように発展していくのか。 新規に投入される商品はあるのか、新規参入企業は出てくるのか。 より優れた他の技術、商品に置き換わるのか |
参入企業 一覧 | コアになる企業は必ず一覧表に明記する。 重要な企業名が抜けないように、判明している参入企業に確認する事が必須。 暫定的な参入企業一覧は必ず作成し、調査の進行に応じて完全な一覧表を仕上げていく |