市場規模シェア調査とは、マーケット調査のことで、「ある商品・サービスの市場動向についてまとめる調査」です。
今回は情報の集め方についてまとめたいと思います。
集め方次第で、調査の出来も大きく違うので、ここがポイントとなります。
情報の集め方の全体・概要については市場調査入門編の「6.情報収集、調査方法～市場調査入門～」でもまとめてます。良かったらご覧ください！
まず、オープン情報を探す。
市場規模シェア調査の場合、統計などの公開情報がある場合も多いです。
そのものズバリの情報がなくても、周辺情報や関係しそうな情報を集めるようにしましょう。
例えば、容量別の冷凍食品の生産量を知りたかったとしたら、冷凍食品全体の生産の市場規模の数字は抑えておくのが大事です。
もし、容量別の数字がなければ、冷凍野菜やチルド食品など他の食品の容量別のシェアなどがあれば、そのシェアを掛け合わせて概算数字を作り代用できる場合もあります。
そのような周辺情報も集めておきましょう。
主な情報の探し方
主要な情報の探し方は次の通りだと思います。
- １．検索エンジンでネット検索
- ２．ネットで深く検索
- ３．図書館で検索
まず、Googleでの探し方の例を見てみましょう。
「冷凍食品」市場のGoogle検索例
- ①googleで「冷凍食品」を検索グーグルで対象商品を調べるだけでも、情報はたくさんあります。一番上は「冷凍食品といえば〇〇」というような代表的なプレーヤーが出てきます。上位表示されているサイトは大手メーカーであるケースが多く、業界の代表的な存在。広告には消費者へ販売している末端チャネル（小売店・通販）のリストになります。
- ②ニュースタブで最近のニュースを探す。冷凍食品がヒットしていたり、トラブルなどの問題になったりしてニュースとなるとここに出てきます。最低限抑えるべきトピックが分かります。
- ③画像検索を使えば、レポートのイメージの参考にもなる画像検索は、グラフや業界勢力図などが視覚的に検索できます。調査設計時には思いつかないアイデアもここで生まれる可能性もありますよ。
- ④検索語に「データ、PDF、エクセル」などが書いてあれば、統計などの表データが手に入る可能性が高いデータを直接探すのも目的ですが、一番上の表示されている「一般社団法人日本冷凍食品協会」という組織があるというのも注目。「統計」で検索して出てくるので、ここで業界のデータを集めている可能性が高く、詳細なデータが必要になった際の問い合わせ先の一つとなります。
集まった情報の出所による優先順位（説得力の強弱）
一般的には、下記の順で信用性が高いとおもいます。
- 国、官公庁（統計など）
- 協会・業界団体（統計など）
- 銀行・金融のレポート、参入企業の有価証券報告書
- シンクタンク・富士経済・矢野経済など調査会社（レポート）
- 新聞、雑誌
- 参入企業（プレスリリース）
国や協会が上位で参入企業が下位が低いのは第三者として客観性が高いか、です。
また、有価証券報告書は嘘を書くと金融商品取引法に違反なので、法的な面からも信用性はある程度あると言えます。
上記の順番で情報を採用したらOKです。
ただ、2箇所から出てきたデータが異なる場合は、その差は何かを考えると捉え方の違いがはっきりしてくるとは思います（例えばメーカー出荷か販社出荷額なのか等）
全く情報がない場合
全く情報がない場合は、関連する雑誌や協会など情報のソースだけでも探しておいた方がいいです。
その情報がありそうなとこに、電話やメールで問い合わせて情報を提供してもらうという次の流れになるからです。
完全社外秘なら取材はしない方がいいかも
これは、案件によりますが、極秘プロジェクトのような場合、情報漏洩自体が命取りになります。
その場合、調べていること自体を隠さなくてはなりません。
なのでネット検索や本雑誌などの情報集めにおいて、「○○株式会社の者ですが、△△市場について動向をお伺いしていもいいですか？」などの取材はしてはいけません。
そのあたりは、会社勤めなら上司から指示があるとは思います。
