6.市場規模シェア調査入門<表現方法について>

市場規模シェア調査とは、マーケット調査のことで、「ある商品・サービスの市場動向についてまとめる調査」です。

今回は市場規模シェア調査の表現の仕方についてまとめたいと思います。

せっかくいい情報を集めても、伝わらなければ意味がありません。

一般的な市場規模シェア調査の表現方法とポイントについて解説していきます。

表現方法の全体・概要については市場調査入門編の「8.レポート作成と表現方法について~市場調査入門~」でもまとめてます。良かったらご覧ください!

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ポイントは「全体と構成比、背景情報を分かりやすく伝える」

市場規模シェア調査で使われる情報は、市場全体の規模と構成比、これらを算出した背景情報が全てです。

  • 全体表現、構成比表現・・表・グラフの使い方がポイント
  • 背景表現・・・理由や考えなどを力説

という使い方になります。

図表作成の4つの手順

図表作成は以下の流れです。特にチェックをするかしないかで、確実にレポートのレベルは違ってきますのでチェックは必ずしましょう!!

STEP
STEP1集めた情報を視覚化するための整理

定義があいまいだったり、複数の解釈の余地がある情報については、公平性を損なわないように独立した情報源を使う。(調査結果イメージに強引に調査内容を合わせる人も多いですが、行過ぎると信用性を失うの注意です)

STEP
STEP2情報の編集何を伝えたいかを決める!
  • メッセージをうまく伝えられるデータを選ぶ (全体数値+シェア?各社数値を積み重ねて→合計?など)
  • ポイントを絞って、データを抽出する
  • 要点を強化するための表現方法を選ぶ数量と金額はセットでなくてもいい

上の冷凍食品の輸入量を調べたい場合、上の図は、「ある程度の市場規模はありますよ」という形、下の図は「数量の増減はあり、単価は上昇傾向」という図となります。このように何を表現したいかで、いつも「数量、金額」を使うわけではありません。

STEP
STEP3表、グラフの作成注意するポイントは次の点です。

情報を的確に伝えるために、一番効果的な表とグラフを選ぶ

(例・・・・使向を表す場合は線グラフ、量を表す場合は棒グラフなど)

表、グラフに注記、説明をつける

(例・・・・・タイトル、説明、凡例、出所など)

メッセージを強調するために、囲い図形や色やフォントを使う

STEP
STEP4チェック次のような点をチェックします。

グラフ、表とオリジナルデータとの、整合性をチェックする客観的に見てストーリーがおかしくないか確認する文章と照らし合わせて、矛盾がないかどうか確認する。異常値がある場合は、再確認し、原因を特定する。

一般的な調査項目とレポートに記載すべき内容

調査レポートすべてここに表示すると長くなるので、主な調査項目と調査内容を紹介したいと思います。

調査項目調査内容
製品概要製品の目的、機能、特性、仕組み
市場概況市場の形成時期、歴史、市場成立の要因、市場構造、参入企業数推移、新規参入状況、新製品状況、市場拡大、縮小状況
市場規模推移5年程度の数量、金額、伸長率表を表示し、推移グラフ、その解説、コメントを記入する。
数量は業界で通用する慣習をベースとした単位を使う。(kWh、台、個、基、t、kg・・・業界常識に従う)
数量、金額、伸長率の時系列表とグラフ、解説は必須
種類別規模推移実績と見込2年間の数量、金額、伸長率の時系列表、グラフ、解説は必須
用途(分野別)規模推移実績と見込2年間の数量、金額、伸長率の時系列表、グラフ、解説は必須
用途は雑な大分類ではなく、業界の常識に応じて表現する
メーカー別
シェア
実績と見込2年間の数量、金額、%表、円グラフ、解説は必須
少なくとも75%に達するまでメーカー名とシェアは明示する。
その他でまとめる比率は25%以内とする。
販売チャネル、
主要商社
商流を図示し、解説する。
価格動向価格の動向、上昇、下降、今後の目途、可能性等を解説する。
代表的な価格事例を明示すればより理解しやすい
消費財は末端実勢価格、生産財ではメーカー出し、もしくは、代理店出し価格を明示するのがよい。
技術開発状況開発が行われる対象(素材、機能、性能)とその目的、理由、
具体的内容、開発の方向性、得られるメリット、デメリット等を解説する
現状の課題技術上、販売上の課題、問題点を解説する。
(商品が浸透していない、代替商品がある、価格が高い、性能が低い、機能が劣る、流通チャネルが未開拓等)
今後の方向性今後、市場が拡大するのか、しないのか。
技術的、需要的にはどのように発展していくのか。
新規に投入される商品はあるのか、新規参入企業は出てくるのか。
より優れた他の技術、商品に置き換わるのか
参入企業一覧コアになる企業は必ず一覧表に明記する。
重要な企業名が抜けないように、判明している参入企業に確認する事が必須。
暫定的な参入企業一覧は必ず作成し、調査の進行に応じて完全な一覧表を仕上げていく
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