2.市場調査とは「定義と分類」~市場調査入門~

市場調査とは何か?

まずはイメージを持ってもらうために、定義やどういった市場調査があるのか、などの分類について紹介します。

前回の「1.市場調査は自分でできるのか?」はこちら

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市場調査とは~定義的なこと~

市場調査とは、「マーケティングリサーチ」と訳されることが多いです。簡単に言えば市場を調べることです。マーケティング協会的には次のような定義です。

Marketing research is the function that links the consumer, customer, and public to the marketer through information—information used to identify and define marketing opportunities and problems; generate, refine, and evaluate marketing actions; monitor marketing performance; and improve understanding of marketing as a process.

(マーケティング・リサーチとは、消費者、顧客、一般大衆とマーケティング担当者を情報によって結びつける機能であり、マーケティングの機会や問題を特定・定義し、マーケティング活動を生成、改良、評価し、マーケティングの成果を監視し、プロセスとしてのマーケティングの理解を深めるために用いられる情報である。)

American Marketing Association HPより

よく、マーケティングとセールス、市場調査(リサーチ)との違いを聞かれますが、マーケティングとは企業から市場に対する諸活動(売上を上げる為の仕掛けつくり)であり、販売とはセールス(売り込み)です。市場調査(リサーチ)とは「ある特定の市場状況に関するデータと調査結果を体系的に分析して報告する事」ですね。

その流れは

  • 問題と調査目的を明確にする→
  • 調査計画(仮説)を作成する→
  • 情報を収集する→
  • 情報を分析する→
  • 調査結果を提出する。

という流れとなり、調査結果を作ることが目的となります。

あくまで調査は情報であり、調査は意志ではありません。つまり調査結果にYES,NOは書きません。

調査を元に事業を進めるかは経営判断であり、調査担当の仕事ではありません。

調査結果が儲かるビジネスでもコンプライアンス的にやらないケースも山のようにあります。

しかし、「では、なんのために調べたのか?」となるので、私はいつも次のように考えてます。

調査はYES,NOではなく、A,B,Cの選択肢とその情報を提案するもの

市場調査の必要性

市場調査は、「事業の方向性の確認」が最も多く使われるのではないでしょうか。

例えば、新しいりんごジュースを作ろうとした時に、

  • どういったお店で売れるのか、
  • どういった世代に飲まれるのか

など販売のルートや顧客のターゲット層などを踏まえ、結果としてどれぐらいの販売の見通しが立ち利益が残るのかという予測を立てるために使います。

市場調査は、あくまで予測であり確実な将来を示すものではありません。

そのため市場調査を怪しいモノとして必要ないという人も多いと思います。

しかし、 何かをしようとした際には根拠が必要であり、根拠のない主張は説得力を持ちません。

市場調査とは事業展開したり商品を販売する際の根拠であり、説得力を持たせる材料であります。 

市場調査の分類

主に以下のような分類があります。

市場規模シェア調査

市場規模やシェアという言葉をよく聞くと思います。

例えば日本国内で車がどれくらい売れて、そのシェアは A 社 B 社 C 社で何パーセントずつとかです。

これがわかると、新たに商売を始める上で「車が何台売れそう、どれくらいの利益が入るな」と見込みを立てる材料になります。

どの会社がどれくらいのシェアを占めているかは、一般的には多くの会社が参入していれば参入障壁が低いと言いますし、1社で50%以上のシェアを占めているようであれば、独占市場としてもシェアを獲得するのは難しいかなという見方ができると思います。

一般的に「市場規模シェア調査」は、企業の商品開発、新規事業・新規分野への参入、既存事業の見直し、商品戦略の策定等を行う為に、「市場全体の構造・動向」、「市場規模の推移」、「メーカーシェア」、「用途別動向」、「技術的課題」、「今後の市場性」等を調査する事を指します。

競合企業調査

これは、ライバルが何をやっているの?ということです。

具体的には、競合企業の生産能力、販売高、商品別販売高、種類別販売高、販売ルート、販売戦略、価格等を調査します。

この調査の目的は、自社がライバルと比較して劣っている所を直そう!であったり、ライバルが弱いところを攻めよう、といった使い方ですね。

また、自社+競合を調べて、市場規模を調べるという流れもあります。

消費者・アンケート調査

全ての商品は基本的には一般消費者がエンドユーザーとなります。

消費者・アンケート調査とは、消費者の商品やサービスに対する意識やニーズを調査することを言います。

方法にはネットリサーチ、アンケート、ヒヤリング、グループインタビュー等があります。

この調査を行う場合、単なる設問設定だけでは消費者の潜在意識を顕在化させる事は難しく、高度な専門性と技術が必要となる場合もあります。マスコミやネットでよく行われている世論調査なども一種の消費者調査といえると思います。で見かける交通量調査とかもこの一種ですね。

また、企業から消費者へ商品が流れる中間地点を調べる「ユーザー企業調査」もあります。

セットメーカー、ユニットメーカー、部品・部材メーカー、素材メーカー等は全て、商品のメーカーであると共に中間ユーザーです。

従ってそれぞれの製品を生産する為に必要な資材を購入しており、それらのニーズ探索調査を行います。

海外調査

これは場所が海外というだけで、上の調査と内容は一緒です。

ただ、国が違えば事情が様々違うので、やり方やレポートが異なってきます。

ドルや円、リットルやガロンなどの単位問題

お酒を飲んではだめなどの文化問題

法人税が安いなどの法律問題

など、日本と違う調査ポイントが必要となります。

続きの「3.市場調査のポイント「大切なのは仮説と結果の説得力」」はこちら

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