6.情報収集、調査方法~市場調査入門~

入門編として、全体的な情報の集め方や取材する方法などをまとめていきます。

前回の「5.仮説、計画の立て方」はこちら

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情報の種類

まずは、集める情報の種類について。

情報は、公開されているオープン情報とそうでない情報の区分、1次・2次・3次情報などの区分が存在します。

オープンデータ

オープンデータとは、公開され、誰でも見ることができるものです。

公開されているから価値がないという見方もできますが、公開されているからこそ、踏まえてデータを作成しなくては、説得力が全くないものになります。

このオープンデータは他のデータを作成する際の基礎データとして使われたり、取材をするための基礎知識を入れるためのデータとなったりします。

オープンでない(クーロズ)データ

オープンでないデータは、公開されていないデータという意味になります。

世の中に知られていない、秘密のデータの方がデータとしては価値がある方が多いです。

しかし、市場調査におけるデータの価値は必要な情報のことです。

必ずしも、秘密のデータがいつも必要というわけではありません。

公開されている統計データで事足りる時もあれば、統計データを組み合わせて、必要なデータを作りそれで足りる場合もあります。

1次・2次・3次情報という分け方

上の図のように、情報源から近い方が1次で、1次情報を組み合わせると2、3次情報となります。

情報の信用性やオリジナリティによる区分となります。

公開情報(オープンデータ)の集め方

私が調査の種類を問わず行うオープンデータの集める方法は次の通りです。

インターネットでの情報の集め方

昔は書籍や紙などで配布していたものもネットで公開するケースが多く、ネットだからと言って使えないデータではありません。しかし、発言に社会的責任の低い匿名の書き込みなどは信用性が低いとされます。

スクロールできます
集まる情報備考
検索エンジンでの
ネット検索
商品の概要や参入企業などどこのサイトかの信用性が重要
SNSの検索流行や最近の情報真偽が怪しいモノも多い、
参考程度に
企業のサイト企業情報(IR,事業報告)
商品概要
更新頻度が少ない会社もあり、
注意
金融・証券会社
のサイト
アナリストレポート
市場レポート
上場会社や特定の市場について、
ない場合も多い
政府自治体、
総務省統計局
各種統計情報人口や世帯数などの基本情報や
主な業界の統計があり、
必ず押さえるべきデータ
協会、工業界などの
関係機関
参入企業リスト
各種統計
業界動向
情報収集の力の入れ方が
各機関によって異なる
Googleanalytics、

searchconsole、
Googleトレンド、
SimilarWebなど
アクセスページ、検索語、
ユーザー特性など
タグ設置が出来る
自社などに限る
企業情報収集サイト企業情報帝国データ、東京商工リサーチなど
国税庁、厚労省、金融庁などの検索サイト

インターネット以外の情報の集め方

集まる情報備考
書店、
公共図書館
本、雑誌ネットにはない情報がある。
特に古い情報はネットでは
消えていく場合も多く有用。
大学図書館 本、雑誌 、専門書大学の卒業生や地域住民であれば、
入館可能なケースがある。
専門書籍がある

実際は、各図書館のネットサービスで書籍やデータがあるかを検索した上で、本を利用するのが、便利だと思います。

公開情報(オープンデータ)が見つからないときは・・

私がよくやる方法は次の通りです。

図書館の司書に探し方を聞く

最近はビジネス用途での利用を後押ししている図書館は多く、「〇〇の市場について調べたいのですが、いい本ありますか?」とか聞くと司書の方が調べてくれたりします。

協会の人へ本や雑誌などのオープンデータを聞く

協会や工業会は、各メーカーの広報を担う意味でも設立された団体です。

そのため、業界的な質問をするにはうってつけで、電話で聞くと「こんな本ありますよ」とか教えてくれます。

情報の確認をするクセをつけよう!(裏をとる)

情報収集の際に、クセにしてほしいのが、情報の裏を取りながら進めることです。

よくあるのが次のようなケースです。

  • 同じような情報がある場合
  • いつのデータかわからない
  • 誰が言っている・どこのデータかわからない

例えば、同じようなデータがある可能性がある場合で考えてみましょう。

例えば”ABCD”という社名の会社について調べないといけないとします。

あなたは帝国データ等の企業情報で出た結果で”この会社のことだなと思うかもしれません。

しかし、ここで注意してほしいのが、「同じ会社名の会社はたくさんある」ということです。

実際、私はこういう際の確認に「国税庁法人番号公表サイト https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/」を使います。

ここで ”ABCD” の社名で検索すると下の図のように10件ヒットすることがわかります。

ここから絞り込むためには、少なくとも住所などが必要です。

つまり「社名+住所」などの2種類以上の情報で確認するクセをつけておいてほしいということです。

こういうクセを持っていると途中で悩む回数はグッと減りますよ。

非公開(オープンではないデータ)の集め方

この非公開のデータは、調査の内容によって大きく異なります。

主な情報収集の種類

内容備考
アンケート質問項目をまとめた
アンケート用紙などを
渡して解答してもらう
意見の量を確保でき、
説得力が増す。
インタビュー
、取材
業界の関係者、
有識者、
会社の同僚など
直接話を聞く
新しい発見も多く
一番有効。
ただ、機密内容では
使えないことも
チャット
インタビュー、
グループ
インタビュー
チャットシステムを
使ったスプリントや
関係を複数集めた
座談会
対象者により内容が
偏るリスクはあるが、
深い内容を聞ける
ケースも。
外部調査会社
へ発注
調査会社へ発注する費用が高額
フィールド
ワーク
店舗や事業所など、
商品が実際に使われ
ている現場を観察。
商品を使うことも
含まれる
客観性が欠けるものの、
体感できる強みがある

アンケートの例

例えば、消費者・アンケート調査の場合だと次の流れが多いと思います。

アンケート、取材の流れ

STEP
アンケート用紙の作成
STEP
アンケート対象者探し
STEP
アンケートへの協力のお願い、アンケート用紙渡し
STEP
アンケートの回収タイトル

各調査編で詳細は触れていきますが、オープンデータではないデータの収集は時間と手間がかかるとだけは覚えておきましょう。

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