マーケティング会社とコンサルティング会社の違いについて、個別の会社の業務内容によっても異なるので絶対的な事は言えませんが、市場調査会社にいる人間の個人的な見解として書いてきたいと思います。
マーケティング会社とコンサルティング会社の基本的な違い
マーケティング会社とコンサルティング会社は、ビジネスの世界で非常に重要な役割を果たしていますが、その機能と提供するサービスの種類には大きな違いがあります。
マーケティング会社
マーケティング会社は、主に商品やサービスのプロモーション、ブランドの構築、市場調査、広告キャンペーンの企画・実施などを担います。彼らは市場の動向を分析し、ターゲットオーディエンスに適したマーケティング戦略を開発することで、クライアントの製品やサービスの認知度を高め、販売促進を図ります。この過程で、マーケティング会社は広告、デジタルマーケティング、イベントの企画など、多岐にわたる方法を駆使します。
コンサルティング会社
一方で、コンサルティング会社は、組織の運営や戦略、効率性、収益性の向上に焦点を当てます。彼らは業務プロセスの分析、問題の診断、解決策の提案、変革の実施支援などを行い、クライアント企業のパフォーマンス向上を目指します。コンサルティングサービスは、経営戦略、人事、財務、IT、リスク管理など、企業運営のあらゆる側面に及びます。
責任と報酬の違い
両者の大きな違いの一つに、責任と報酬の構造があります。
- マーケティング会社: 一般的には、提供されたサービス(例えばキャンペーンや広告)に対して料金を請求します。彼らの責任は、質の高いマーケティング素材の提供と、合意されたマーケティング戦略の実施にありますが、その結果としての売上げ増加までは保証しません。
- コンサルティング会社: 成功報酬型の料金体系を採用することが多く、クライアント企業の業績改善や目標達成が直接自らの報酬に影響します。そのため、コンサルティング会社はクライアント企業の成功に深くコミットする傾向にあります。
守秘義務の重要性
最後に、マーケティング会社とコンサルティング会社の両方において、クライアントとの信頼関係を築くためには、守秘義務の遵守が不可欠です。情報の機密性を保持することは、クライアントからの信頼を獲得し、長期的な関係を維持する上で極めて重要です。特に、競争の激しい業界においては、情報の漏洩が企業にとって重大な損害をもたらす可能性があるため、守秘義務に関する厳格な方針とプロセスの実施は、マーケティング会社とコンサルティング会社の双方にとって不可欠です。
発注側での必要な認識
受注側のモラルの程度によりますが、業者へ渡した情報は外部に漏れる可能性を考えて発注すべきです。
というのは、守秘義務契約などを結んでいたとしても情報漏洩は明確な漏洩ルートの特定が難しいので、責任を問えないケースが多く、社内担当が責任を取らされるケースも少なくありません。
その意味ではコンサルティングよりマーケティングリサーチ会社のほうが、渡す情報量が少なくてすみ安全かもしれませんね。